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2016年9月15日 (木)

2種類のプレゼン

 生まれて初めて「プレゼン」を聞きました。マンション管理組合の理事をしている関係で、大規模修繕工事の業者を決めねばなりません。そこで候補3社の「プレゼン」を聞いた上で、我々が1社を選ぶということになった次第。

 「プレゼンを聞いて、その中から1社を選ぶ」
 私はこれまでそんなことをした経験がありません。すこしわくわく。

 定刻になりいよいよ開始。予想していたよりはるかに上手。資料も完ぺきだし、話もなめらか・・・・・と思ったのが1社目。
 そして2社目、3社目、資料もほぼ同じ、話し方もほとんど変わらない。なんでこんなに似ているのかと思うほど、何もかも同じ。
 プレゼンを聞いた結果、一番安いところに決めました。それしか選びようがなかったからです。

 おそらくこんなことがあらゆる業界、日本中で繰り返され、値下げ競争が止まらないのでしょうね。容易に想像ができます。

 それとともに、私が講演したあとに「先生、プレゼンうまいですね」と褒められる理由がよく分かりました。
 上手い下手じゃない、そもそも、プレゼンの「種類」がまったくちがうのです。

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 建設会社にとって、工事を取れるかどうかは死活問題です。それがプレゼンで決まるとなれば、話し方を徹底的に特訓して臨むのでしょう。

 ・余計なことは話さない
 ・時間通りに資料を説明する
 ・服装や髪型は清潔に保つ
 
 そのような「プレゼンのトレーニング」を重ねた結果、ロボットが話しているみたいなのです。おもしろいことなど一言も言わない。言えない。キレイな言葉ばかりで、ぜんぜん印象に残らない。話し手の人間性が見えない。
 そんなプレゼンを「売り込み系プレゼン」と呼びましょう。何かモノやサービスを売り込みたい、その崇高な目的のためにはプレゼンテーターの人間性など、かき消されてしまうのです。
 「売り込みプレゼン」しか知らない人から見たら、私は異常に映るにちがいありません。テーマと関係なく話をする、資料を無視する、持ち時間を守らない。言語道断タブーのオンパレード。

 ただ、私は、その場にいる人に「面白かった、楽しかった」と思ってもらえるよう、それについては自分なりに努力しているつもりです。
 たとえば会計の講座でも「よく分かりました」で終わらせたくない。終演後に「面白かったです」といってもらえるよう、その場、その時間を大切にしています。
 なぜなら「面白かった・楽しかった」と言われれば、こちらもまたやる気が出て、話す(あるいは書く)仕事が楽しくなるからです。
 お客さんを楽しませること・それによってこちらも楽しむこと。そんなプレゼンを「芸人系プレゼン」とでも名付けましょう。
 こっち側で仕事してこれてよかった・・・・しみじみそう思います。その生き方を見せてくれた芸人の友人知人に心から感謝してしまいました。

 これからおそらく大企業の売り込みプレゼンはますます激しさを増していくことでしょう。付き合ってられんわ。
 商売人諸君、話すにせよ、書くにせよ、「売り込みプレゼン」が上手になったらおしまいです。
 自分の言葉で話すこと、自らを表現すること、それを楽しむこと。そんな「芸人系プレゼン」に行かないと、まちがいなく値下げに巻き込まれるぞ、気を付けるんだ。