« スセリさんのライブにて | トップページ | ニッポン・不況の風景 続き »

2016年5月10日 (火)

不況の風景

 いささかの不謹慎を承知で書きますと、私は「不況」になると何が起こるのか、少々ワクワクしながら世の中を眺めています。なにせ世代的には高度成長時に生を受け、日本が経済大国になるに合わせて大人になりましたゆえ、物心つくまで「不況」というものを知りませんでした。

 はじめて経験する「好況から不況への転落」、そこではどんなことが起こるのか、いろんな仮説を立てながら世の中を眺めています。
 貧富の差が拡大すること、そして治安が悪化すること、ここまでは誰でも予想ができます。
 不正会計、粉飾、杭打ち偽装、燃費の偽装、ここまでも十分に予想の範囲内です。きっと、まだまだ出ますぜ。

 しかし、予想できなかったことも少しずつ表れ始めています。
 私は日本人がここまで匿名の揚げ足取りや他者非難を行うとは思いませんでした。
 人が「上へ行く」には、自ら努力して上へ行くことと、相手を下げることの2つのやり方があります。どうやら好景気には前者の「自ら上へ行く」努力が好まれ、不況には「相手の足を引っ張る」ことが好まれるようです。

 私も自分ではかなり正義感の強い人間だと自認していますが、最近、この「正義感」にうんざりすることが増えました。
 「それって、人としてどうなんだ」という物言いの多いこと多いこと。芸能人の不倫やスポーツ選手の賭博は、よってたかってこの「正義感」で叩かれます。
 自分が努力しても上に行けなくなると、社会全体が成功する人・チャレンジする人の揚げ足を取るようになるようです。
 また、そうした正義感の強い人をよく観察すると、必ず「安全な場所」から発言していることがわかりました。匿名でえらそうな発言をする(アマゾンを見よ)、安定した給料や親の用意してくれた自宅を確保しながら「人として」を連発する。

 安全な場所に隠れて正義感ぶってばかりいると、へんな空気が漂いはじめます。「ウィン・ウィン」が口癖になって、なんでも「バランスを取ろう」と結論づけます。そんな生き方していると、まじで早く惚けるぞ。

 仕事が一区切りついた今、うそっぱちな正義感など捨てて、もう1回安全でない場所に降りていって勝負してみようかなと思い始めました。不況こそ守りに入ったら危ない。それに、やっぱり人の悪口言って過ごすより、言われるほうが気持ちいいしね。

 それにしても興味深い「好況から不況への転落」。生活といいビジネスといい、毎日のようにネタが降ってきます。