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2011年10月 7日 (金)

「その男」

  志の吉さんと電話で話すうち、期せずして「その男」の話題になった。
 かつて私の田中塾にも参加した「その男」は最近出版社を辞めて落語家になってしまった。
 立川流に40歳過ぎで入門・・・たいていのことでは驚かない私も絶句した。

 仕事やプライベートでたくさんの落語家と知り合いになった。
 しかし知り合いが落語家になったのは初めてのことだ。
 このちがいは大きい。

 「勇敢なんだか、バカなんだか」
 
 ほとんどの男たちは、増やし続けて生きている。
 自らの経験を増やし、知識を増やし、友人を増やしカネを増やす。いつもその方法を考えている。
 ある者たちは飽きたらずに国家資格を目指し、海外で経営を学ぶ。
 学歴であれ、収入であれ、ブランドであれ、プライドであれ、高めることしか知らない。

 そしてほとんどの男たちは積み上げた過去の成功に縛られる。
 優秀な男たちが動かす大企業は前年比に縛られる。
 最も優秀な男たちが動かす国は成長神話に縛られる。

 「その男」もいままでのように仕事すれば稼げたはずだ。
 でも彼はこれまでの実績や収入、過去を40歳を過ぎてから捨てた。

 「その男」を見て思った。
 上着を脱ぎ捨てるように「過去を捨てる男」は贔屓目抜きにカッコイイのである。
 積み上げ男がいくら頑張っても彼にはかなわない。

 「その男」から「還暦で真打ちを目指します」とメールが来た。
 では私も70歳でゲストに呼ばれることを目標にしよう。またひとつ人生の楽しみが増えた。

 周りの人間に彼のことを話すとみんな元気になる。
 私も「彼の無茶を思えば」たいていの苦労など苦労だと思わなくなった。
 いつの世も意表を突くバカは周りを明るくする。

 とうとう「その男」の人生初高座の日が近づいてきた。観に行かねばなるまい。
 もちろん応援ではない。
 スーツを着物に着替えた「勇敢な男」の晴れ姿をこの目で見たいからである。
 しかし40過ぎて初舞台とはマジで泣かせるぜ。
 初舞台。がんばれ、がんばれ、がんばれ。

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