会計士の「志」
もともと暑い夏と寒い冬は嫌いだ。
花粉症になってから春も嫌いになった。外に出れないのだから仕方がない。
とすれば残るは秋しかない。穏やかな秋の陽射しは本当に心地いい。
優先すべき仕事は何も進まず、本屋を探索すること4時間、読むこと4時間。
サラリーマンだったら一発でクビだ。本当に自営業でよかった。
本屋で買った何冊かをスターバックスで読む。
「南の島のたったひとりの会計士」(屋宮久光著、扶桑社)
八重洲ブックセンターで本棚に置かれる前のラックに積まれていた本。
タイトルでピンと来た。私の本を紹介していただいた人だ。きっとそうだ。
すこし嬉しさと期待を覚えつつ、スタバでコーヒーを飲みながら一気に読了。
帳簿とか決算とか資金繰り表とかいった単語に、これほど「息吹」を吹き込んだ本を初めて見た。
どれだけ理屈を積み重ねても届かない生きた言葉。うーん、かっこいいぞ。
読書後、年齢を拝見したら私とひとつしか年が違わない。だからこそ分かるネタも多かったし、若き頃、血を吐いたところも同じ(?)。
勝手に妙な親近感を覚えつつ、本の内容に心の中で拍手。
いいぞいいぞ、と珍しく応援のエール。
頭でっかちな会計人と経営者みんなに読ませたい内容だ。
著者、屋宮氏のブログ→ http://amamicpa.livedoor.biz/
「ウサギはなぜ嘘を許せないのか?」
(マリアン・M.・ジェニングス著、野津智子訳、山田真哉監修、アスコム)
同じく会計士界に新境地を切り開いた山田真哉氏監修となる「コンプライアンス小説」。
帯の「コンプライアンス」に目が入って、コンプライアンスの小説かと先入観を持って読んだら、そうではなかった。
著者はもうすこし深いところを表現したいようだ。
コンプライアンス「を」解説するのではなく、コンプライアンス「も」解説している。
読んだあとに、私の好きなTim Burton監督の「Big Fish」を思い出す読後感。
やっぱり目先より長期、カタチより心、カネより愛情(?)ですね。
海外でもやっぱり「正直者は報われる」わけですよ。すこし安心。
2冊ともに、会計士らしからぬ「人間味」溢れる本。
いいぞ、いいぞ。
「数字の専門家」なんて低いレベルじゃない「志」を目指す会計士はたしかにいる。
とても嬉しい。


