勝負勘
「そうした意味でいえば、あくまで『自然体の努力』をしていたということになるのだろう。
そしてまた、後悔を残したくないという思いが強かったからなのか、一日一日をいかに充実して過ごせるかは常に考えていた。
(中略)
天才でない人間が、いかに勝負勘を得るかといえば、そんな積み重ねでしかないはずだ」
「どんな世界でもそうだと思うが、いい意味でも悪い意味でも『あいつなら、こういうことをしてくるだろう』と予想されるようになったら驚きも感動も与えられない。
先を読まれたならば、必ず負ける。」
以上は「岡部さん」こと岡部幸雄ジョッキーの新刊「勝負勘」(角川書店)から抜粋した文章。
競馬好きは親しみも込めてjジョッキーの呼び捨てが多いのだが、現役時代から引退した今でも、私にとって岡部さんだけは岡部さんなのである。
競馬を知った高校時代から最近まで、それだけは変わらない。
そしてこの本の内容は私にとって心静かにじっくり読みたい人生訓の数々。
おそらくこの本は競馬が分からないと分からない。
だからあまり売れないだろう。
それがいいのである。個人的にこの本だけは一般ウケして欲しくない。
この本の値打ちは分かるヤツだけ分かればいいのである。
いつも死と隣り合わせの勝負を続けてきた第一線のジョッキーが振り返る「勝負勘」。
そこには失われつつある「男」のニオイがする。
ビジネスという「安全」な世界で繰り広げられる茶番劇にはない緊張感、勝負の世界に生きる男だけが持つ矜持。
「コーチング」などという八百長っぽい人間関係などはみじんも感じられない。
そこにあるのは孤独。
そして私のような「資格」に守られた甘ちゃん仕事をしてきた人間にはない緊張感。
数字を見ようが見まいが、そんなことはどうでもいいことなのである。
数字や会計など、なんとアホらしく、そして小さく見えることか。
オレのやっていることって、つまらんことだなあ、としみじみ思う。
20日には岡部さんのサイン会がある。
占いなど決して信じない私だが、この本に岡部さんのサインをもらいに行こう。
「勝負勘」のオーラがすこしでも「うつる」ことを祈って。
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コメント
サイン会いかがでしたか?
生の岡部さんを一番近くで見たのは競馬場のパドックだったと思います。
競馬を見なくなって数年たちますが
岡部さんは大好きな騎手でした。
引退していたんですね。
このブログを見て、この本の存在を知り、早速購入しました。
競馬好きの上司にもプレゼントしました。
これからじっくり読みます。
投稿: ono | 2006年9月 21日 09:04
onoさん
引退後の岡部さんとはいちど北海道の社台ファームでお見かけしたことがあるのですが、そのときにすでに「丸く」なられていたのが印象的でした。今回のサイン会もほのぼのとしたかんじでした。
勝負師の老後という意味では「かっこいいなあ」と思っておもわずサインだけでなく握手もしてもらいました。
きっと私にも「勝負勘オーラ」がうつっています。
投稿: たなか | 2006年9月 26日 01:29