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2005年12月30日 (金)

日本映画はつらいよ

正月休みに読もうと決めた本は一冊だけ。「<新版>パラダイム・ブック」。
大学を卒業した年に読んだ本の改訂版。
正月ぐらいは物理の歴史などニューサイエンスでもゆっくりと。

あとここ数日、何本かの映画を見た。
キューバ・ミュージックのドキュメンタリー映画「ブエナ・ビスタ・ソシアルクラブ」。世界がどんどんアメリカ的になっていくなかで、アメリカ的でなく生きてきたキューバの老人たちが奏でる音楽。
嗚呼、なんとすばらしきかな。

それから成瀬巳喜男の「浮雲」。この迫力はどうだ。
いまと違ってエンタテイメントが映画くらいしかなかった時代だから、監督のみならず、俳優、スタッフ、ハンパじゃない人たちの「映画をつくるぞ!」という気合いと空気の濃さが伝わってくる。選ばれた人たちの、最高の気合い。
成瀬・小津世代から黒澤を経て山田洋次に至る時間のなかで、いつしか映画の大衆化が進み、他の娯楽のなかに埋もれて日本映画界の輝きが失われていった。受け手にとっての大衆化にはいい面もあるが、作り手の大衆化にいいことは何ひとつない。日本映画はつらいよ。いまや成瀬・小津作品はレンタルビデオ屋でもハリウッド映画や韓国ドラマに追いやられて片隅にポツリ。
嗚呼、なんと嘆かわしきかな。

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